キリンリキのしっぽのアレが考える

しにがみのバラッド。 (2006)

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©ハセガワケイスケ メディアワークスポニーキャニオン

 

どうしても「死神」と聞くと血しぶきが飛んだり、人の命に対して残酷なイメージがありますよね。

しにがみのバラッド。」は、本来の魂を運ぶ悪魔のような「死神」ではなくて、様々な環境によって悩んだり挫けそうになる人間に寄り添おうとする存在、この作品では世間でイメージされる死神とはまるで違う存在として描かれていると思うのです。

死者に対してよりも生きている人間をメインにした話が多いことも「しにがみのバラッド。」の特徴ではないでしょうか。

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※死神のライセンスID A 100100号のモモ 泣き虫

 

ハセガワケイスケ先生によって電撃文庫で出版されていたライトノベルが原作ですから、青少年の心の葛藤を描く話が中心です。まだ「死」に対して免疫の少ない人間が大切な人の「死」に直面する、そこに主人公である死神の「モモ」と使いネコの「ダニエル」が「大丈夫だよ」と優しく見守っていくような温かさを感じました

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※モモの使いネコ「ダニエル」

 

カウンセラーではありませんが、死神であるモモとダニエルは苦悩する人間に対して、一言二言の助言や辛い時にただ傍に居てくれる存在のようですね

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アニメ化を担当した望月智充監督は「ふたつのスピカ」や「絶対少年」など、落ち着いた雰囲気で物静かな演出を得意とする監督だと思っています。人によっては退屈と評価される手法ですが、桜吹雪の音が聞こえてくるように、自然環境の音もしっかり出されている演出は素晴らしい。

 

未成年の複雑な心境を視聴者に感じさせるジュブナイル的な作品としても、そのような雑音が少ない演出の方が「しにがみのバラッド。」と相性が良いのではないでしょうか。

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お気に入りのアニメ作品ですが、ストーリー自体は王道で変化球はありません。悪く言えば普通の良い話で終わってしまう可能性もあるでしょう。

でも、登場人物たちと死神であるモモの触れ合いは微笑ましいし、大切な人の死によってどうしようもなく不安になってしまう登場人物たち…、そのような魂をモモたちが救済する物語として、もっと評価されても良い作品ではないでしょうか。

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二度と戻れない人生を大切にするように促す話もありますし、普段テレビやニュースなどで人の死に慣れてしまっている自分に対して「死」は当たり前ではない!と言ってくれているような気もしますね。

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「しにがみバラッド。」は全6話と非常に短い作品です。アニメ化以外にもドラマや漫画化などのメディアミックスが行われました。残念ながら原作は終了していますが、心優しい物語によって救われるような話が多く、寝る前の静かな環境で視聴するのがベストかなと思います

 

K○Yさんが歌うOPの「no one」とED「White Messenger」は名曲で劇中のBGMも素晴らしい。

決して大傑作と評価される作品ではありませんが、日常生活の中で精神的にも疲れている方に観てほしい作品ですね