キリンリキのしっぽのアレが考える

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楽園の条件

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【タイトル】 楽園の条件

【作者】森島明子

【連載誌】コミック百合姫 ※現在連載終了

 

【関連ワード】

百合 女性同士 年齢差 社会人 オムニバス

 

 

「恋愛は少女だけの特権じゃない」という帯裏の言葉が特徴的な作品。

5つの物語・5組のカップリングによる物語構成の他、この作品では年齢差による女性同士の恋愛関係を全面に出しています。

 

森島明子先生は女性同士の関係性を中心とした作品を幾つも発表し、百合好きの読者には有名な漫画家の一人だと思います。

オムニバス形式で年齢差のカップルたちを描いた「楽園の条件」も森島先生の代表作として広く認知されているでしょう。

 

各話では

 

社会人同士の25歳と26歳の恋愛

30歳の美大講師と20歳の生徒

見た目にギャップを感じる29歳×25歳

高校の先輩×後輩

ファンタジー風の姫と騎士

 

など、年齢差以外にも身分違いの百合も描かれているのが興味深いですね。

 

妙齢であえる女性同士の恋愛関係を、心と身体を通じて懇切丁寧に描いていると感じたし、百合を描いた多くの作品で感じる「葛藤」もしっかり描写されていました。

 

「桃の話」のように、学生の先輩×後輩の百合が一般的ですが、社会人同士の百合は未知の領域と言いますか…。

誰もが通るであろう学生という要素は想像しやすい利点があって、女子高やお嬢様学校などの限りなく狭い世界観により、読者が同性でも恋愛が成立する「納得できる要素」が存在すると思う

 

ですが、社会人ともなると、学生という狭い世界観からグローバル・幅広い視野を嫌でも身に着けなくてはならないし、正直言って同性同士の恋愛をするには向いていない世界観と考えています。

百合を感じさせる多くの作品で「ごっこ遊び」と感じてしまうほど、同性同士の恋愛を描くことは難しいく、社会人という融通の利かない世界で働くキャラクターたちの考えや関係性を描くのは簡単なことではないでしょう。

 

しかし、森島先生の作品に登場する年齢差カップルたちは、等身大の魅力を持つ女性が多い印象を受けました。

 

出社前はメイクに忙しいし、身体のラインを維持するために鎧のような下着を付けるなど、漫画で省略しても良い要素を省かずに描いていることも良いな~と。

特に恋愛要素を推す作品は、読者に綺麗どころしか見せないことがある。たしかにブログ主も、誰かが苦しむ・葛藤する描写なんて読みたくないし、女性特有の悩みは非常に生々しくて一筋縄では行かない

 

ただし、そのような描写を入れることによって、人物たちの心理描写が掘り下げられるのも事実。イチャイチャ中でも少しの葛藤・相手を本当に好きである意思表示にも繋っていると「楽園の条件」を読んで思いました。

 

「楽園の条件」で好きな話は、20娘×30乙女(ハタチムスメトミソジオトメ)と、「攻」→「守」(セメのハンタイはマモリ)です

30歳の美大予備校講師「桐生圭子」と、20歳予備校生徒「青山笑美」の恋愛模様がニヤニヤしますし、笑美の若さに圧倒される圭子の姿が笑える話であり、圭子側の立場で考えると笑える内容ではないかもしれません。これぞ年の差百合! という具合に年齢の違いからくる悩みや葛藤が満載なのも素晴らしいですね!

 

森島先生の作品を読むたびに「百合は良いな~」としみじみするほど

百合・年齢差カップル作品に興味がある方の入門書にもおすすめです!