キリンリキのしっぽのアレが考える

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ふたつのスピカ (2003)

f:id:kiitosgirafarig:20171027153931j:plain©柳沼行メディアファクトリー/NHK・NEP・総合ビジョン

 

【原作者】柳沼行

【連載誌】月刊コミックフラッパー ※連載終了

【制作会社】グループ・タック

【監督】望月智充 

【関連監督作品】海がきこえる絶対少年しにがみのバラッド。など

【話数】全20話

 

【関連キーワード】

宇宙飛行士 宇宙学校 幽霊 打ち切り 絶版 原作完結

 

NHKのURL ↓】

 

【原作について↓】


 【あらすじ】

 日本初の有人宇宙探査ロケット「獅子号」が打ち上げられるも、トラブルにより市街地に墜落。民間人にも大きな被害を出し、少女アスミも母親を亡くしてしまう。

アスミは母の死を実感できないまま過ごす日々が続いていたが、ある日ライオンの被り物をした「ライオンさん」と名乗る幽霊と出会う。

ライオンさんの出会いによって宇宙への憧れを持つようになり、ロケットの運転手になるために懸命な努力を続けていきます。

 

 

 【主な登場人物】

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「鴨川アスミ」

ライオンさんとの出会いによって宇宙飛行士を目指す主人公

高校生ながら身長143㎝の小柄。しかし、宇宙に関する知識や運動神経は、持ち前の努力によってトップクラス。もの凄い努力家で優しい心根を持っている

 

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「府中野新之介」

アスミと幼馴染 ツンデレ

幼い頃からアスミを知っている幼馴染。

破天荒なアスミの行動に嫌味を言いつつ、何だかんだで心配している。

彼も宇宙学校に入学し、アスミらと切磋琢磨していきます

 

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「近江圭」

宇宙学校でアスミと友達になる

元気で友達を思いやる気持ちは人一倍強く、ムードメーカーで回りを引っ張る。

原作者曰く「彼女は何を描いても許される」そうです。

 

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 「宇喜多万里香」

彼女も圭と同じで、宇宙学校の入学試験でアスミたちと出会いました。

人間関係に積極的ではなく、いつも一人で過ごしているミステリアスな少女。しかし、アスミたちとの交流を経て変わっていく。

 

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「鈴木秋 すずきしゅう」

眉毛がない。政治家の息子だが勘当されている。

いつも眠そうだが、頭は非常に良くて宇宙学校の首席。のんびりしているように見えるが、彼も様々な葛藤の中で生きている

 

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「ライオンさん」

ライオンの被りものをした幽霊。その正体は、獅子号に搭乗していた最年少宇宙飛行士で、アスミに大きな影響を与えました。

いつもハーモニカを吹いていて、アスミが小さな頃から宇宙飛行士になるためのトレーニングを一緒に行う。

 

 

 【感想】ネタバレあり

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私はアニメから「ふたつのスピカ」を知りました。

最初は本編よりもBUZYが歌うOP「Venus Say」とOPアニメーションが素晴らしくて、そればかり視聴していました。

 

本編は打ち切りともとれる中途半端さと、お世辞にも作画が優れている作品ではありません。原作と違う描写や、最後の展開にも賛否が別れているようですし。

 

望月監督特有の、ゆったりとした空気感や冗長的な演出も好みが別れますし、この作品は決して大傑作ではなく、映像ソフトの販売数・すべての映像ソフトが絶版となってる経緯からも失敗作と思われて仕方がないのです。

 

 

ですが私は、どうしようもなく「ふたつのスピカ」のアニメが好きですね

 

決して他者にオススメできる作品ではないが、主人公アスミのとてつもない優しさやにグッと来るし、穏やかに部屋のカーテンがなびくような演出は、失われつつある貴重な映像表現であると言える

 

セル画末期の淡い映像・静かな雰囲気とBGMは「ふたつのスピカ」にマッチしているし、こんな素晴らしいアニメは少ないと思っています。

 

 

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※第5話 「おかあさんの顔」の一場面 ライオンさんとアスミ

 

 全20話の内、登場人物の過去話である短編が5話収録されています。その中で第5話の「おかあさんの顔」が最も好きな話です。

 

「おかあさんの顔」では、川に溺れたアスミが臨死体験をする話。

三途の川がある世界で、獅子号墜落事故で亡くなった母親に会うシーンが大変素晴らしい

 

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全身が包帯姿の女性を三途の川まで送るアスミ。アスミはこの時点で母親であると気づいていますが、この世界では自分の名前を言っていけないルールがあるのです。名前を言ってしまえば、二度と現世に戻ることはできないと、ロケットを飛ばしていた青年に教えられます。

 

 目が見えない女性と手を繋ぎ、

「ここにも石があるから気をつけてね!」

「ほら、ここにも!」

と、女性が歩きやすいように誘導するアスミの姿が良いシーンですね

 

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自分の娘だとは分からず接する母親。

「目が見えることだけがすべてじゃないの」

「だって、感じることができるのだから」と母親がアスミの頬に手を添えるシーンが素敵です。

 

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アスミが

「私には目が2つあるから、ひとつあげられたら良いのに…」

「そしたら、綺麗な空だって海だって、たくさん見られるのにね」

という優しさに満ちたセリフも心に突き刺さります。

 

その後の

「私にも娘がいるの」

「お嬢ちゃんように優しい子に育ってくれていたら良いのだけど…」

という母親のセリフが忘れられない

 

 

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 ※宇宙へ最初に行った楽器は「ミニハーモニカ」

 

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生前のライオンさんも、ミニハーモニカを身に付けて獅子号に搭乗しました。

 

 

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宇宙学校の入学試験

狭い部屋での共同生活。その中でドミノを完成させる試験。

最期までアスミたちは、あきらめずにドミノを完成させた!「ふたつのスピカ」を観る機会があれば、友達との関係性にも注目してほしいです。

 

 

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色々と惜しい所はありますし、アニメ本編も未完成に近い。

映像ソフトも入手が難しく、決してアニメ史に残る名作という訳でもない。

それでも私の中では素晴らしい作品であり、良く見直すアニメの一つですね