キリンリキのしっぽのアレが考える

奇跡の人 (1962)

奇跡の人 (1962)

【監督】 アーサー・ペン(俺たちに明日はない<1967年>)など

【制作国】米国

【関連ワード】

ヘレンケラー 伝記 サリヴァンvsヘレン

 

【あらすじ】

生まれてすぐ熱病に掛かり、目・耳が不自由になったヘレンケラー。

ヘレンは言葉も話すことができない三重苦の中で、わがまま放題に育てられていました。

両親はそんなヘレンをどうにかしようと、自身も盲目で教師をしているサリヴァン先生に教育を頼みます。

時には身体を張って捨て身の指導を行うサリヴァン。果たしてヘレンは「物事の意味」や「言葉」という光を見出すことができるのでしょうか。

 

 

【感想】※ネタバレあり

f:id:kiitosgirafarig:20171108200602j:plain 引用 ※BS JAPAN7ch 2016年2月7日放送 「奇跡の人」より

※ヘレンとサリヴァン先生

 

生涯に渡り、自身と同じ境遇の障がい者の福祉や教育に尽力したヘレン・ケラーの伝記的映画です。日本にも馴染み深い人物で、学校で必ず教わる人物ではないでしょうか。

 

非常に活動的な方で、世界各国を訪れては福祉社会の重要性・男女平等・人種差別の反対活動などを問いた偉人でもあります。

日本にも来日したことがあるらしく、WIKIの情報によるとあまりにも活動的なので、一時期FBIにもマークされてたらしい…

 

そのように平和の象徴のような人物を取り上げた映画が1962年制作の

「奇跡の人」です。

 

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※体を張って教育するサリヴァン先生

 

多くの平和的な活動・「奇跡の人」というタイトルからも、上品で穏やか・優しいイメージを持ちますよね。

しかし!この映画を観ると、そんなヤワで簡単な物語ではないことが分かります。

 

ヘレンは三重苦で両親の存在は認知しているものの、言葉の意味や物事の意味を知りません。

ですから、凶暴な野生動物のように暴れたりと我儘し放題なのです。

 

物事の意味が分からないのですから、何故わがままなのかも考えられない…。

サリヴァン先生はそんなヘレンを、手と手を合わせながら何とか手話で意味を理解させようとしますが中々上手く行きません。

 

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※時には厳しい指導による激しい格闘も…

 

身体を張った指導は激しすぎて、別ジャンルの映画を視聴しているようでした。

しかしこれは暴力ではなくて、ヘレンに意味を理解させたいがため行動です。サリヴァンもヘレンに対して並々ならぬ愛情をもっています。

 

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※何度も何度も何度も繰り返し手を使って理解させようとする

 

 ヘレンとサリヴァンはどちらも必死なのです。

教育に集中するため2人で離れ屋で暮らし、徹底的にヘレンを指導していきますが、甘やかす両親の元へ帰ると、また我儘なヘレンに戻ってしまいます。

 

もうダメか…そう思った時、今までの苦労が救われるような奇跡が起こるのです。

 

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ヘレンが水「ウォーター(water)」 を理解した時、もがき続けてきた暗闇の中で光が射し、初めて物事に意味が存在することを知ります

そこからは今まで暗闇に存在しただけであった物の意味を、連鎖のように知っていく様子が感動を誘います

 

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※恐怖の象徴であったサリヴァン先生の存在を認知するヘレン

 

母親・父親はもちろん、あれだけ恐れていたサリヴァン先生にもゆっくり近づいて、誰なのかを理解するシーンが素晴らしい

 

サリヴァン先生はヘレンを指導する時に、必ずヘレンの目を見て接していました。

役者への指導か分かりませんし、人と人が接する場合に目元を見る行為は当たりまえかもしれない。

ですが、見えないヘレンの目を違った方向で見えるようにしたい!というサリヴァン先生の強い意志を感じたし、

同じ盲目でありながら一人の教育者として、ヘレンを決して見捨てない姿勢が凄いです。 

 

史実、FBIにマークされるほど様々な活動をしたヘレンも凄いですが、ヘレンの生き方に大きな影響を与えたのは間違いなくサリヴァンでしょう。

 

映画での野性的なヘレンは創作のようですが、ヘレン・ケラーを知る上で「奇跡の人」は重要な映画ではないでしょうか。

 

名作ですね