キリンリキのしっぽのアレが考える

80日間世界一周 (1956)

f:id:kiitosgirafarig:20171210183820j:plain引用 ※NHK BSプレミアム 2017年6月13日放送 「80日間世界一周」より

【タイトル】80日間世界一周(1956年)

【原作】ジュール・ヴェルヌ「ハ十日間世界一周(1872年)」

【監督】マイケル・アンダーソン

【関連ワード】

世界一周 先進的 Around the World 本当の英国紳士 賭け 

 

※2017年12月14日

BSプレミアム 午後1時から放送予定

 

【あらすじ】

1872年、イギリス革命クラブに所属するフォッグは、「80日で世界一周ができる」と豪語するが、革命クラブのメンバーは誰一人として信じない。

そこで、本当に80日間で世界一周ができることを証明するため、銀行に預けた全財産2万ポンドを賭けて、すぐさま働き始めたばかりの執事パスパルトゥーと共に世界一周の旅に出かける

果たしてフォッグ一向は、無事に世界一周を80日間で達成できるのか!

 

 

【感想】※ネタバレあり

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※革命クラブのメンバーと賭けをする

 

革命クラブのメンバーで素性が謎に包まれたフォッグは、湯船の湯の高さやトーストの温度は28度など、時間や細かい所に厳しすぎる人間。半年で専属の執事が5人辞めてしまうほどで、急きょボロボロの服で面接に来たパスパルトゥーがフォッグの執事になります。

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※気球で移動する際に流れるテーマ曲「Around the World」は日本のCM曲に使われたので、一度は耳にしたことがあるはずです。

 

革命クラブとの賭けをしたその日に、世界一周を決行する無茶苦茶な物語ですが、主人公は時間をきっちり計算して各地を旅します。

気球・列車・像・船など、考えられる移動手段をフルに使い、トラブルが起きても動じずに規則的ないつもと変わらない生活をどこでもするのです。

また無類のホイスト(トランプゲーム)好きで、世界中を旅する中でも一日中ホイストに興じています。

 

一方、執事として働き始めたばかりのパスパルトゥーは無類の女好きで、街を歩く女性に目移りしてしまう性格。また運動神経に優れ、行く先々でのトラブルを身体能力で回避したり、持ち前の明るさで健気に主人公についていく。

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闘牛祭り

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スペインやスエズ、インド、香港、アメリカなど、世界各国を旅する中で、日本のヨコハマに来る描写もあります。横浜なのに奈良の大仏が出てくるのはご愛嬌

 

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インドに立ち寄った際、宗教によって人身卸供にされそうになったアウダ姫を救い出します。

主人公が間髪入れず「助け出そう」と言い出す姿はカッコイイし、宗教など複雑なルールに怯むことなく立ち回る様子が美しい。

パスパルトゥーが騙されて横浜に一人で行かされた時も、何も非難せずにパスパルトゥーを探し出しました。

本当の英国紳士がどんな人物なのか分かりませんが、彼のような人間が本当の英国紳士と呼ばれてほしいです。

相手が引くほど時間や細かい所に厳しい主人公ですが、パスパルトゥーとアウダ姫の3人旅がミスマッチのように見えてしっくり来るのも可笑しいですね。

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※主人公の進路を見守る人々

この映画はかなり先進的な作品で、各国の宗教や理不尽なルールに臆することなく旅をすること。また、主人公の立ち振る舞いや考え、映画が映し出す事柄が現在でも通用するものばかりなのです。

 

 

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感動してしまったのが、革命クラブに出向いたアウダ姫が、メンバーたちに女人禁止と呼ばれます。

アウダ姫は主人公に「なぜ?」と聞くと

「それは大英帝国の終わりを意味するからだ」と答えるのです。

 

ジェンダー問題や宗教問題は人類の永遠の課題だと思います。

しかし80日間世界一周では、そのような複雑な問題に真向から挑んだ作品ではないでしょうか。

 

大英帝国の終わり~のセルフからも、これから新しい時代に進んでいくことが示唆されたと感じるし、

友人や家族がいない孤独な主人公が、80日間の旅によって人との出会いや大切な何かに気付けた様子からも、新しい時代への幕開けを表していると思います。

 

170分と長い映画ですが素晴らしい名作ですね!!