キリンリキのしっぽのアレが考える

LIFE IS BEAUTIFUL (1997)

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ⒸMCMXCVII-MELAMPO CINEMATOGRAFICA s.r.I-Roma

【タイトル】ライフ・イズ・ビューティフル

【監督・脚本・主演】ロベルト・ベニーニ

【関連ワード】

第二次世界大戦 強制収容所 童話 嘘

 

 

※ネタバレあり

 

【感想】

イタリアのコメディアンであるロベルトベニーニが監督・主演・脚本を務めた作品です。前半はリアルで本当の夫婦でもあるニコレッタ・ブラキ演じるドーラと主人公グイドのコメディタッチながらのロマンスが描かれクスっと笑える映画に仕上がっています。

 

やがて2人は結ばれて子供(ジョズエ)が生まれますが、幸せのさなか第二次世界大戦の影が迫ってくる。3人はユダヤ強制収容所に連行され、何も知らない無垢なジョズエを絶望させないために「これは楽しいゲームなんだよ」とグイドが嘘をつき続けるという物語なのです。

 

一見コメディアンのベニーニが戦争を茶化していく設定に見えますし、「綺麗事」や「嘘によって周囲に迷惑が掛かる」、「強制収容所をふざけて捉えている」と評価されることもあります。

しかしながら、ライフ・イズ・ビューティフルを視聴して戦争に対するとてつもない真剣さが伝わり、息子のために厳しい状況にも関わらず嘘をつき続ける主人公がもの凄くカッコよく見えました。

 

どんなに理不尽で生きるか死ぬかの状況でも息子を守るために奮闘する姿、戦争によって大切な存在たちが引き裂かれる恐怖。それでも最後の最後までジョズエに嘘をつき続ける行為と、たとえ殺されそうになっても息子には笑顔でいつも通りに接するグイドは並大抵の精神力じゃありません。なんだか一人の人間ががむしゃらに、理不尽で何もかも失くしてしまう戦争に抵抗しているようにも見える…。

 

また、決して戦争を茶化した映画ではないことはグイドの表情一つとっても分かるはず

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ⒸMCMXCVII-MELAMPO CINEMATOGRAFICA s.r.I-Roma

暗闇の強制収容所内を歩くグイド。このシーンで戦争の悲惨な現実が浮き彫りになり、映画の世界観から一気に現実へ戻される。そしてライフ・イズ・ビューティフルがただのコメディでないことが分かると思います。

 

 映画冒頭に息子を抱きかかえて暗闇を歩く主人公のグイドが映し出され、「これは童話のような話である」とセリフが入ります。視聴後にそのセリフを思い出すと、「ありえない」と感じたシーンも納得出来てしまう。

 

個人的に感動したのが、街のいたる所にユダヤ人お断りの張紙が貼られる現状を見たジョズエが「どうしてユダヤ人と犬はお店に入れないの?」とグイドに聞くと

「あの店はユダヤ人と犬が嫌いなんだよ」

「あっちの金物屋はスペイン人と馬が嫌い」

「向こうの薬局は中国人とカンガルーはお断り」

ジョズエはクモが嫌い、パパは西ゴート族が嫌い、だからクモと西ゴート族はお断りだ!」

という、誰だって嫌いなものはあるだろうと嘘を付くシーンです。本作で描かれる生きるうえで有益な嘘はどれも素敵で素晴らしかったです!