キリンリキのしっぽのアレが考える

meet-me

どんでん返しだけが魅力じゃありません!

※ネタバレあり

 

シックスセンス」で多くの方が思われるイメージは

 

◆ラストの大どんでん返し

◆この物語には秘密があります…の冒頭

◆幽霊が見えるから…

 

など、ラストのどんでん返しだけが過剰に評価されてしまう作品ではないでしょうか。

またシックスセンスを撮ったシャマラン監督は、視聴者からシックスセンスのイメージが強すぎて悪い方向で期待されてしまう悲運な映画監督だと思います。

 

確かに2008年に制作された「ハプニング」以降、レディ・イン・ザ・ウォーター(2006)までに描かれていた、崩壊寸前の事柄が小さな希望や不思議な現象によって救済される展開が見られないと私は感じています。特に2010年に公開された「エアベンダー」はとにかく酷い映画で、シャマラン監督が撮った過去作の設定やセリフがそのまま使用されたシーンもあり、大好きな監督ながら憤りを覚えました。

 

シックスセンスはラストのどんでん返しに向けて伏線やヒントが多くのシーンに隠されており、ラストを観てからもう一度視聴すると「あのシーンはこのシーンに繋がるのか…」とパスル的な面白さもある。しかしながら、ホラーにジャンル分けされながらもヒューマンドラマとしても良質な物語に仕上がっているのです。

 

この作品は、夫婦仲がよろしくないカウンセラーと幽霊が見えることに悩む少年のふれあいが中心に描かれているのですが、ラストに繋がる伏線やどんでん返しよりも、重要で目には見えづらい要素がいくつも存在しています。

 

その最もたる要素が両者の家庭環境が崩壊寸前なところ。

マルコムは優秀なカウンセラーとして市からも表彰された実績を持ちますが、コールのような少年を救えなかった過去に苦しんでいました。

一方で幽霊が見えることに苦しむ少年コールは母親に幽霊が見えるとカミングアウトできず、家の中でも恐怖に怯えて生活しています。そんな息子を救うことができない母親も病んでしまい、息子との接し方が分からなくなってしまう。

 

両者は解決することが難しい問題に直面していますが、幽霊も助けを必要としていることを知り、「幽霊と話し合う・悩みを聞いてあげよう」とマルコムがコールに提案。そこから物語がホラー<ヒューマンドラマへと変化します。

 

母子家庭で母親との関係性が崩壊寸前のコールも、幽霊たちの悩みを聞くことで次第に希望を見出す。

母親に「本当は幽霊が見える」とカミングアウトするシーンなんかは、シャマラン監督作品で描かれていた小さな希望や崩壊寸前の関係性が救済される代表例ではないでしょうか。

 

私がシャマラン監督を好きな理由はそんな希望や救済が丹念に描かれていたから。

 

アンブレイカブル(1999)ではヒーローとして自覚が芽生えたことで、息子や妻との関係性が修復されました。

サイン(2002)では宇宙人が地球に攻めてくる大きなテーマを利用して、愛する人の死で信仰をなくした牧師が信仰を取り戻す。そしてバラバラだった家族が不思議な現象や必然によって家族の絆が修復される様子を描き出しています。

 

評論家はもちろん、世間の評価は本当に低い「M・ナイト・シャマラン」監督

 

なんだかコアなファンを指す「シャマラニスト」なる言葉もあるそうで…。

私はシャマラン監督が好きですが、「シャマラニスト」と呼ばれることは非常に不服。

よく観れば多くの視聴者に対して心に響くようなテーマと物語だし、決して「分かる人にだけ良さが分かる」作品ではないと思うから。

 

いろいろ馬鹿にされる監督だけど、素晴らしい作品を撮る人だと思うんだけどな~…