キリンリキのしっぽのアレが考える

セントールの悩み 1

 f:id:kiitosgirafarig:20180302163652j:plain

【タイトル】セントールの悩み

【作者】村山慶

【連載誌】月刊comicリュウ

【単行本】16巻 (2018年2月現在)

 

【関連ワード】

人外 形態差別 戦争 平等 百合 日常生活

 

 

【感想】

2017年にアニメ化された「セントールの悩み

ケンタウロス属の主人公「姫乃」ちゃんをはじめとする翼人・角人・竜人など、形態の違いはあるものの、ほんわかした学校生活や日常が描き出されています。

 

幸せそうに暮らす姫乃ちゃんたちですが、それぞれの形態による差別や過酷な戦争が実際に行われた過去、平等という名の今にも崩れ落ちそうなシステムは、私たちのリアルで問題となっている事柄と似ています。

また、南極人(見た目が蛇のような種族)のように特異な種族も存在し、国家間の思惑や政治的な要素も感じます。

 

 

セントールの悩み」では動物が人間に進化せずに様々な形態へ進化を遂げた世界観です。ですから私たちのような「人間」は存在しない世界。そこが「人外」と呼ばれる他作品と違うところ。また同性同士の恋愛を示唆するシーンなど、議論になりやすい幅広いテーマを取扱う作品でもある。

 

アニメふくめ、観る・読む人間を選んでしまうジャンルですが、かなり深く答えの見えない問題を投げかける作品です。何度も繰り返し視聴するほどお気に入りのアニメでもあります。

あの翼人の老人が言った「学ばなくてはならない」という言葉が忘れられませんし、今でもときどき観返している作品です。

 

 

それで、恥ずかしながら最近になってやっと原作を読む機会を得ました…

原作1巻の最初の話がアニメ4話だったのも新鮮

 

話が切り替わる際の扉絵には、各形態種族の豆知識が掲載され面白かったです

 

◆アニメにも登場した翼人の衣類の着替え方

◆姫乃ちゃんを含めた人馬の蹄鉄は履物という認識があり、陸上競技用や茶会用など用途に合わせて代える。豊富な種類と商品が存在する

など、種族ごとの生活やルールが垣間見れて学べたのが良かったですね。

 

アニメでは原作の少し過激な表現を柔らかく映し出していたことも分かりました。

原作では登場キャラクターの胸も露出しますし、違う形態種族で結婚するリスクも本当かどうか分かりませんが指摘されていました。

 

そんな胃が痛くなってどうしようも出来ない要素がありますが、基本的に姫乃ちゃんの日常生活は可愛らしい。

竜人の希と角人の羌子、そして人馬の姫乃ちゃんが3人仲良く遊んでいる姿は、形態差別や戦争といった難しい問題に対して、これだけ仲が良くて他人を思いやることが出来ることを示している。

 

セントールの悩みには、絶対に無理だけど

「何かに違いがある存在同士が上手く均衡と秩序を保って生きていく」

そんなヒントが隠されているような気がしてなりません。それは1巻で見せた姫乃ちゃんと希のキス、体は大きいけれどいつまでも両親に甘える姫乃ちゃんからも感じます。

 

 

1巻のレビューというよりは作品全体の感想みたいですが、色々と気づかされてハッとした場面も多くて本当に素晴らしい作品だと思えました。

 

セントールの悩み おもしろいですよ!