キリンリキのしっぽのアレが考える

蟲師 「春と嘯く」

2018年3月21日、春の訪れを感じさせる「春分の日」ながら、各地で雪が降っているようですね。

「冬」と「春」。綺麗に咲く桜が雪化粧を纏っている姿は何とも神秘的で美しい。

不意の雪なので、交通面や日常生活では色々と大変ですよね…。

 

時季外れの雪に 「勘弁してくれよ~」と嘆く人、はしゃぐ方、様々ですが、

私はフッと、蟲師という作品の「春と嘯く」という話を思い出しました。

読みは〝はるとうそぶく〟です

 

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引用 蟲師4 漆原友紀 株式会社講談社 第18刷 P93

 

 

afternoon.moae.jp

 

動植物とは異なり、様々な動植物に影響を与える力を持つ「蟲」

そのような「蟲」は生命に近しい存在なので、目に見えない人間が大半ですが、稀に蟲の存在が見える人間がいる。また、病気や怪異の原因が「蟲」の力による場合もあるので、医者や研究者のような立ち位置で「蟲師」という職業もあるわけですね。

 

主人公の「ギンコ」は蟲師の世界観では異質のシャツ・ズボン、白髪の容姿。生まれつき蟲を寄せる体質で、長く同じ土地で暮らすことはできませんから、蟲師を生業として各地を旅してます。

彼は蟲と人間が均衡を保ちながら共生することを望んでいます。ですから、どんなに人間に対して害を及ぼす蟲を出会っても、最後まで蟲を殺さない解決方法を探します。

蟲のせいで窮地に陥ってしまった人間に対しても「不幸な巡り合わせを起きただけだ」と、人間が蟲の存在を含めて自然と共に生かされていることを旅を通じて知っているんですね。

 

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©漆原友紀/講談社・「蟲師」制作委員会 「春と嘯く」

〝春まがい〟 〝空吹〟が羽化した姿 蝶のような蟲ですね

「春と嘯く」は、雪で難儀していたギンコが、すず(姉)とミハル(弟)の姉弟と出会います。ミハルはギンコと同じように「蟲」が見える体質ですが姉のすずには見えず、怪異なことを発言する弟に困っていました。

 

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©漆原友紀/講談社・「蟲師」制作委員会 「春と嘯く」

姉のすず 弟のミハル

 ギンコは家に泊めてくれたお礼と称し、なりふり構わず蟲を触ろうとするミハルに危険な蟲とそうでない蟲を教えることになる。

蟲が好きでテンションが上がるミハル。そんなミハルのやんちゃさに「安請け合いしすぎたか…」と少し後悔するギンコがユニーク

 

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©漆原友紀/講談社・「蟲師」制作委員会 「春と嘯く」

人間を含めた動植物に悪影響を及ぼし、中には「禁種の蟲」や「幻の蟲」など、人間の想像を超えた影響を与えてしまう蟲も存在します。ですから、むやみに触ると危険なわけです

 

そんなミハルですが、動植物が静かになる冬になると姉の目を盗んで何処かに出掛けては春になってひょっこり帰ってくる。そしてまた春まで深い眠りにつくという、常識では考えなれない奇妙な行動をとります。しかも、冬には存在しないはずの山菜を持って倒れているので、ますますおかしいわけです。

普通なら春になれば起きるはずですが、ギンコが一旦土地を離れてから戻ると未だに眠りにつくミハルの姿が…

 

そこで、蟲師であるギンコの出番です。

ギンコはミハルが起きない原因が探しますが、どうやら〝春まがい〟という蟲が原因のようです

 

 

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引用 蟲師4 漆原友紀 株式会社講談社 第18刷 P111

すずとミハルの家の天井に蛹のようなものが…

〝空吹〟うそぶき と呼ばれる蛹がやがて蝶に羽化する。それが春の訪れを示す

春まがい は、蛹のような姿で特殊な匂いをだし、冬眠中の動植物の活動を促す蟲。匂いでおびき出した動物の精気を吸い、吸われたものは春まで眠ることになる。結構恐ろしい蟲なのです

ミハルは〝春まがい〟の習性を利用して、食糧の確保が難しい冬に山菜をとってお姉さんである すずの負担を減らそうとしていたんですね。

 

 

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©漆原友紀/講談社・「蟲師」制作委員会 「春と嘯く」

ミハルが春の山菜を取った場所を蝶に導かれながら探しますが、真冬にも関わらず桜が咲き乱れ、鳥やリスが元気に動き回る。まるで春の山にいるかのような場所を見つけます。植物が青々しいほど咲いているシーンが異質ながら綺麗です。

 

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©漆原友紀/講談社・「蟲師」制作委員会 「春と嘯く」

大量の〝春まがい〟の影響で深い眠りにつくギンコ

 

しかし、ミハルが起きない原因が判明したにも関わらず、春まがいの出す甘い匂いでギンコも深い眠りについてしまいます。

はたして、ミハルとギンコは眠りから覚めることができるのか…。そんなお話なんですね

 

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引用 蟲師4 漆原友紀 株式会社講談社 第18刷 P111

 3月~4月の時期、春は出会いと別れの季節でもあります。また、動植物が活動を始めるころです。

すずとギンコの関係性に注目すると、出会いと別れや、どこか切なくなる心情も感じました。

 

ギンコは蟲を寄せる体質ですから、一つの場所に住むことはできません。

すずがギンコを好いている様子も、ギンコは気付いていますが口には出しませんし、弟のミハルに「冬は人間も弱っていかんからな」と発言しますが、すずに対する申し訳ない気持ちが伝わると同時に、何とも言えない清々しい余韻を残します。

 

ただし、何かを好きであることは自由

奇妙な隣人である蟲たちを愛するミハルにギンコが

「蟲たちを好きでいることは自由だからな…」と発言しますが、春の暖かなそよ風に当たるように、心の中もフワッと温かく優しい気持ちになれましたね。

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©漆原友紀/講談社・「蟲師」制作委員会 「春と嘯く」

 

アニメ「春と嘯く」におけるBGMも素晴らしく、DSで発売された「蟲師 〜天降る里〜」 のBGMにも採用されたほど。気になる方は一度視聴してみることをオススメします。

 

また、蟲師はとてつもない名作だと思うので、機会があれば是非、蟲師の世界観を体験してみてくださいね!