キリンリキのしっぽのアレが考える

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大正ガールズ エクスプレス 1

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【タイトル】 大正ガールズエクスプレス

【作者】   日下直子

【連載誌】  Kiss

【関連】

大正 自由 女学生 お嬢様 コメディー風 大正デモクラシー

 

【キャラクター】

・『美杉千代』

高嶺女学院に通う才色兼備で成績優秀なお嬢様。

大正のさなか、女性としての生きづらさを痛感し、また良妻賢母で女性は家庭に入るべきという風習に「やってられるかー!!」と匙をなげる。

お嬢様ながらアグレッシブに行動し、後に よし子と共に校内新聞「白百合新聞」を制作。女子の自由と知るべき情報を開示するため奔走する。

 

・『田辺よし子』

貧しい漁村の生まれの15歳。その貧しさから身売りにだされてしまい夜逃げする。

辿り着いたのは、お嬢様方が通う高嶺女学院の屋根裏であった。

絵が大変上手であり、人物の風刺がを描けば少女雑誌のようなメルヘンな絵になってしまう。そんな中、千代と出会い、校内新聞「白百合新聞」の挿絵を担当することに…

 

 

 

【感想】

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大正ガールズエクスプレス1 日下直子 株式会社講談社 第一刷 P70

 

大正時代を舞台にし、女性の自由が軽視されることに不快感を示すお嬢様「千代」と、貧しく身売りから逃げてきた少女の「よし子」。

千代の通う女子校では、少女たちの自由を規制するしきたりがあります。少女雑誌や歌劇のブロマイド写真を所持しているものなら直ぐに没収され、多くの女学生は、卒業すれば知らない男性に嫁ぐことを当たり前と捉えています。

 

この時代はそれが当然で、女性に学業は必要ない どんな相手でも口を出さず、良妻賢母ではくてはなれないと教育される。

千代は「進む自由も思う自由もない」なら〝自由をつくる〟という強い気持ちがあるんですね。そんな世の中に対抗する方法と〝自由〟の発信源が、一巻では校内新聞「白百合新聞」の発行なんですね

 

一方、夜逃げしてきた よし子。

彼女は千代に比べて純粋で素直な性格。そして絵がすこぶる上手。ただし…人物の風刺画を描いても少女趣味タッチな絵となってしまいますが、よし子の絵を見て千代は校内新聞「白百合新聞」を発行することを決めます。

 

金融や軍事など知られるべき〝今〟が書かれた校内新聞を隠れて学内に掲載するが、千代が書いた文章の受けが悪く、よし子の挿絵だけが評価されます。より面白い新聞記事を書くためにお互いが協力し合い模索していく姿が1巻には描かれている。 

 

よし子と千代はタイプは違えど「何かに縛られながら生きる」しか選択肢がない状況です。

そんな2人の女子が偶然出会い、校内新聞を通じて「女子も自由であったよいのだ」と発信していく。自由を共に作っていくような物語は、大正デモクラシー大正ロマンが感じ取れて素敵。

 

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大正ガールズエクスプレス1 日下直子 株式会社講談社 第一刷 P29

 

校内新聞を制作する中で、2人の友情の発展はもちろん、

身分の違いや風習によって結婚を許して貰えない若い男女が出て来ます。

 

好きな相手と一緒になれない…、考えれば考えるほど辛いことではないでしょうか。

悲恋で心中してしまったカップルもいた時代なんですよね…

 

それは同性でも同じです。

 

明治時代ですが、「糸魚川心中事件」という女性同士の心中事件も有名ですよね

 

 

 何だか男尊女卑とか、学校を卒業するほとんどの女子は嫁ぎ先が決まっている だとか、女性の自由とは程遠いと感じて鬱々な気分になってしまう。

 

けれど「大正ガールズエクスプレス」ではコメディータッチのコマが多く、千代はお嬢様ながらアグレッシブで表情が豊か。

よし子もそんな千代を尊敬し、ひたむきについてく関係性も素晴らしく、登場人物たちからも理不尽なことを強制するような者はほとんど存在しません。作品に登場する女性たちを見ると強靭な〝決意〟も感じまし、そこがまた素晴らしい

 

作中には当時流行った物や言葉のちょっとした解説もありますし、

大正時代が好き・興味のある方は是非読んでみてください!