キリンリキのしっぽのアレが考える

CONTACT (1997)

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【タイトル】 コンタクト

【監督】       ロバート・ゼメキス

【関係者】    カール・セーガン

【関連】 宇宙 地球外生命体 ファーストコンタクト? 宗教 正解は決してない

 ※ネタバレあり注意

【あらすじ】

電波天文学者のエリーナー・エリー・アロウェイ博士は、〝人間以外の地球外生命体〟の存在を信じ、アレシボ天文台にて調査を続けていた。

宇宙からのメッセージ〟や「我々はどこから来て、我々はいったいなにものなのか」を問い続けるアロウェイ博士であったが、ある日、彼女の願いが叶ったように、惑星ベガから不思議なメッセージが地球へ発信されていたことに気づく。

 

謎の電波の解析によって判明したのは、宇宙船のような設計図と、何と多くの人間を虐殺したヒトラーが演説を行ったベルリンオリンピックの映像が送られてきたのだった。

 

アメリカの思惑や宇宙船のパイロット希望者の権力争い、宗教観の違い。

果たして遠い宇宙から送られてきたメッセージは本物なのか、目的な何なのか。

急遽、宇宙船の搭乗者となったアロウェイ博士は、地球外生命体とのファーストコンタクトを成功させ、本当の答えを見つけることができるのか…

 

【感想】

ロバート・ゼメキス監督と言えば、バック・トゥ・ザ・フューチャーフォレスト・ガンプなど、実際の大統領の映像を差し込むといった、ファンタジーやSFの中に少しのリアルを映し出す作風を得意とします。

 

コンタクトも例にもれず、地球外生命体とおぼしき存在からメッセージが送られてきたら、現実社会ではどのような反応があるのかを限りなくリアルに描いているのです。

特に本作の主人公である電波天文学者のアロウェイ博士の宗教観、亡き父親との思い出、アロウェイ博士と全く違う宗教観を持つ恋人との関係を含め、人間の〝ややこしい部分〟も映し出されていますから、〝SF〟という括りで視聴すると中には物足りないと感じてしまう視聴者がいるかもしれません。

 

しかし、本作は非常に美しいCGによって宇宙空間やワームホールが描かれており、また、電波を発した宇宙人たちの、果しなく〝のんびり〟した穏やかな雰囲気も感じました。これは視聴した方なら感じるであろう要素で、遠くのほうで人間たちをただ見守る傍観者のようなんですよね、本作で描かれている〝地球外生命体〟という存在が。

 

映画冒頭で美しい地球と聞こえてくる音楽やニュース放送の音源

そこから地球から発する電波が届かない宇宙空間と、人間が想像できる限界の宇宙空間までをゆっくり映しだし、最後に幼少期のアロウェイ博士のまるで宇宙の星みたいに綺麗な目を映し出す演出が大好きです。

SFの傑作であり、多くのメッセージが隠されている優れた作品だと思います。

 

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※サウンドトラック ブックレットより 

ジョディーフォスター演じるアロウェイ博士

アロウェイ博士は幼い頃に父親を亡くしており、その影響か無宗教なんですね。

本作で大きく取り上げられる〝宗教観〟ですが、ベガから送られてきた設計図の元、宇宙船をアメリカは作るのですが、当然、電波の発見者であるアロウェイ博士も搭乗者として候補に挙がります。しかし、キリスト教、宗教を信じていなくては支持できない…という国民が多い描写には大変驚きました。

 

世界を見ても、宗教などの複雑な要素で様々な問題が起きていますが、コンタクトでもそれは顕著に映し出されています。

宇宙人とのファーストコンタクトを期待する人もたくさんいますが、中には過激な人間が「地球外生命体とのコンタクトにより、地球が滅ぼされる!」と危惧する人間も存在するのです。

 

また人間たちの権力争いも過熱します。

国家間はもちろんですが、アロウェイ博士も権力争いに巻き込まれてしまい、さらには宗教観によって搭乗者のリストから外されてしまう、研究を続けていたプロジェクトも国が乗っ取る形で、何もかも変わってしまう。

 

 

本当かは分からない・正解はないけれど、私たちが生きるうえで大切にしなければならないことが絶対にある…そんなことを教えてくれる作品

 

「我々地球人だけじゃスペース(宇宙)がもったいない」 なんて素敵なセリフだろうか

本当に宇宙人から電波が発信されたのか、はたまた、新な転送装置を北海道に建設していたハデン氏の存在など、謎のままに終わる部分が多いです。

 

しかし、アロウェイ博士がドラムリンに向けて言った

「私たちが決意すれば変わるのに」という言葉

 

そして、ワームホールを抜けて美しい惑星が広がる空間と、地球とは思えないほど幻想的な砂浜に現れたあの人物。

「我々地球人だけじゃスペース(宇宙)がもったいない」

「人間は美しい夢をみることもできるが、恐ろしい悪夢も見る」

「途方に暮れて、いつも孤独を感じている」

素晴らしいメッセージだと思います。

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※右がDVD 左がブルーレイ ブルーレイ版のデザインが好きです。

もし、映像ソフトを購入するのであれば、特典映像が充実しているブルーレイ版をオススメします。 

 

上で述べたように、本作は本当の正解が映し出されておらず、視聴する人によって期待はずれと思われてしまう方もいるはず。

だけど、人類と地球外生命体のファーストコンタクトを、地盤から丹念に描いた貴重な作品であることは間違いなくて、無闇に答えを描かなかったことは大いに評価したいです。

 

BGMを含めて大好きな作品です!